がんが診断されてから早速「抗がん剤治療」が始まります。
名前もよく聞くし、ドラマでもよく見ると思います。でも自分がいざ受けるとなると怖いですよね?
本記事では、その不安を少しでも解消できるように、わたしの実体験からお話したいと思います。
「その前にあんた誰?」と思われた方。
わたしは古賀と言います。25歳で悪性リンパ腫になり闘病生活を送って復活しました。
プロフィールの詳細はこちらです。
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プロフィール
こんにちは、古賀正雄です。現在36歳です。 簡単ではありますが、こちらのページで自己紹介とこのブログについてお話します。 高校時代 学生時代は主に野球をしていました。 進学先の高校も野球で選びました。 ...
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自慢じゃないですが、わたしは2種類の抗がん剤治療を経験しています。
「なぜ2種類も?」と思われた方は、物語形式でまとめていますのでこちらからどうぞ!
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がん体験記 発症編① ~悪性リンパ腫の始まり~
現在がんと闘っている方々、そしてその周りの方々を少しでも勇気づけるために、 私のがん(悪性リンパ腫)発症から復活までの道のりをここに記します。 また、健康な方も命について考えるきっかけに ...
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始めにわたしが実際に受けた
「ABVD療法」
「R-CHOP療法」
について簡単に説明してから、抗がん剤の各副作用についてお話していきます。
抗がん剤治療「ABVD療法」とは?
「ABVD療法」は以下の薬を「2週間に1度の点滴治療を2度すること」を1サイクルとして、
がんの進行具合により4~8サイクル繰り返す治療法です。
A・・・アドリアシン
B・・・ブレオマイシン
V・・・ビンブラスチン
D・・・ダカルバジン
悪性リンパ腫の「ホジキンリンパ腫」に有効な治療法です。
わたしが受けた際の点滴時間は約2時間でした。
点滴で少し厄介なのが「ダカルバジン」です。点滴時に「血管痛」を伴います。
「めちゃくちゃ痛い!」という感じではなく、鈍い痛みが「ズーン」と続く感じでした。(語彙力(笑))
看護師さんが対処してくれると思いますが、腕を温めると痛みが少し軽減されます。
わたしが初回点滴を受けた夜は体が急に重くなり、眠っている最中に大量の汗をかきました。
ただ2回目以降はその現象も徐々に緩やかになっていきました。
体調は1.5週間程経つとそれぞれの副作用が落ち着き元に戻る感じです。
辛いのは2週間に1度の治療なので、楽に暮らせるのが2、3日程度です。
最大16回点滴治療を受ける必要があるため「忍耐力」が必要になるかと思います。
最近(2020年4月)では、ABVD療法ならぬ、「A+AVD療法」を行うことがあるそうです。
Bのブレオマイシンという薬が、アドセトリスという薬に変わります。
これにより、副作用で体にかかる負担が少なくなるようです。
医療の進歩はありがたいですね!
抗がん剤治療「R-CHOP療法」とは?
「R-CHOP療法」は以下の薬を「3週間に1度の点滴治療すること」を1サイクルとして、
がんの進行具合により3~8サイクル繰り返す治療法です。
R・・・リツキサン
C・・・シクロホスファミド
H・・・ドキソルビシン ※ABVD療法のアドリアシンと同じ
O・・・ビンクリスチン
P・・・プレドニン ※飲み薬
悪性リンパ腫「非ホジキンリンパ腫」の「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」に有効な治療法です。
わたしが受けた際の点滴時間は約3時間半でした。
特徴的なのが「リツキサン」です。初回投与時に副作用が強く出る可能性が高いので、初回のみ入院する処置がとられます。わたしも初回投与時は入院しました。
そして「リツキサン」は費用が高いです。わたしの時は「R-CHOP」1回で8万円でした。
1月に2回受けることもあるので、その時は「高額医療制度」を活用しましょう。
プレドニンは飲み薬ですが、5日連続で朝昼飲まなくてはなりません。
(量は人によって変わりますが、わたしは朝昼10粒ずつでした。)
慣れれば大したことないですが、舌に触れると「苦み」を感じます。
その「苦み」が「吐き気」を強くしてしまう可能性があるので、オブラートを使用して飲むのも良いかと思います。
わたしは薬を口に入れる前に水を少し口に入れて、薬を水の上に浮かべて舌に触れないように飲んでいました。伝わりますかね(笑)。。
R-CHOP療法は3週間に1度の点滴になり、ABVD療法と比べて1週間期間が長いです。
その分気持ち的に非常に楽でした。体もあまり重くならなかったので、そこまで辛くなかったです。
抗がん剤治療で「高熱」は出る?R-CHOPのR「リツキサン」の初回治療の副作用は?
前述したようにR-CHOP療法の「リツキサン」は初回に副作用が強く出る可能性が高いです。
そのため初回だけ入院をして、1日かけてゆっくり点滴をしていきます。
「高熱」が出やすいと説明を受けましたが、結論を言うと「まったく何も起きませんでした(笑)」。
2回目以降も体に変化はまったくなし!
それに対して腫瘍は小さくなるばかり!
費用が高いだけあります。
ただ人によって症状が出る出ないがはっきりするようなので、初回は注意です!
抗がん剤の副作用「吐き気」や「だるさ」について
抗がん剤の副作用の定番「吐き気」や「だるさ」についてです。
「吐き気」については「ほとんどありません」でした。
抗がん剤投与前に「吐き気止め」を飲んだり、点滴をしたりします。
その効果もあり、闘病生活で嘔吐したのは1度だけ!
それも「調子に乗って食べ過ぎ+プレドニンの苦さ」が原因(笑)。
普通に気を付けていれば、そこまで「吐き気」は気にしなくてよいかもしれません。
「だるさ」は点滴後1週間はあるかなといった感じです。
わたしは点滴後1週間はおとなしく過ごして、1週間過ぎたら軽めの運動をするようにしてました。
仕事をされる方は点滴直後の1週間は避けた方が良いかと思います。
抗がん剤の副作用「免疫力」の低下!風邪に要注意!
目に見えない、感じれない副作用、それが「免疫力の低下」です。
抗がん剤治療を受けると免疫力が大幅に低下します。
そのため、ウイルス感染しやすくなってしまいます。
「風邪」はもちろん「インフルエンザ」、2020年3月現在流行している「コロナウイルス」にも注意が必要です。
怖いのは「肺炎」を誘発してしまうことです。
肺炎になってしまうと最悪助からなくなりますので「手洗い」、「うがい」、「人込みにいかない」など十分に注意しましょう。
食べ物もあたりやすくなってしまうため「生物」はNGです。
また、治療時に免疫力が回復していないと、「治療が延期」になってしまいます。
延期になると、腫瘍が大きくなる時間を与えてしまいます。
腫瘍が大きくなってしまうことを避けるためにも、
日頃から免疫力を高めることを意識しなければなりません。
わたしが心掛けていたことは「バナナを食べること」と「笑うこと」です。
バナナの黒い部分の「シュガースポット」は免疫力を高める働きがあります。
それを知ってからは毎日バナナを食べる日々でした。
抗がん剤治療者にとって「バナナ」は必須アイテムです!
「笑うこと」も免疫力を高める働きをします。
「病は気から」の言葉の通り、落ち込んでいると免疫の働きは弱まります。
バラエティ番組を見たりして「笑うこと」を心掛けると良いですよ!
抗がん剤の副作用「脱毛」はいつ頃から?ウィッグは必要?
初回点滴を終えて2~3週間後に脱毛の症状があらわれます。
ABVD療法は少し毛が残る程度でしたが、R-CHOP療法はすべての毛が一気になくなりました!
わたしは男なので、すぐに坊主にしました。
毛が散らばると掃除が大変ですし、毛が抜けるのを見るのもあまりいい気分ではありませんしね。
治療中も働きたい場合は「ウィッグ(かつら)は必要」だと思います。
職場の全員が病気のことを知っていれば帽子でも問題ないかと思いますが、
事情を知らない人も多い場合は帽子は難しいですよね。
わたしも「医療用かつら」を注文してサロンに行って、自分に合うように切ってもらいました。
「注文して終わり」というよりも、サロンに行って調整してもらった方がより自然になるかと思います。
帽子は医療用もいいですが、見た目が少し気になるかもしれません。
スポーツショップで売られている肌ざわりのいい「ニット帽」を選ぶのも良いです。
意外と堪える抗がん剤の副作用「口内炎」対策
抗がん剤点滴後、1週間くらいすると症状が出ます。
口内炎は地味に厄介です。
治療中ずーっと付きまといます。
「刺激が強い辛いもの」は避けましょう!
わたしはガマンできずにカレーを食べてしまいましたが、ヒリヒリが止まりませんでした(笑)
ひどいことになりますのでガマンしましょう。。
点滴1週間以内は口内炎より「味覚変化」の方が強くでます。
食事があまりおいしく感じられなかったり、好きなものがあまり食べられなくなったりしますが、無理せず食べれる範囲で食事をしましょう!
食事は生物がダメなだけで、それ以外は食事制限されません。
「食べやすく、消化に良いもの」を中心を心掛けましょう。
わたしは麺類を多めにして乗り切りました!
抗がん剤の副作用「便秘」対策をしよう
病院側から「便秘には注意してください!」と言われます。
副作用で便秘になってしまうと最悪「腸閉塞」になってしまう恐れがあります。
わたしは完全に「便秘は無縁」でした。
心掛けてたことは、
- 水を多く飲む
- 食事をしっかり食べる
- 散歩をする
です。
「水を飲み、食事をしっかり食べ、適度な運動」をして体の中の循環を活発にしましょう。
水は2リットル以上推奨です。
食事は多すぎず少なすぎず、無理のない範囲で食べましょう。
運動は点滴1週間以内はつらいと思いますので、体が楽になってきたら少しでもいいので体を動かしましょう。
ただし心臓に負担がかかるような激しい運動は禁止です。
心筋梗塞になってしまう可能性がありますので、ご注意ください!
抗がん剤の副作用「手足のしびれ」は日常生活に支障は出る?治療後も残る?
しびれは治療を受けるたびに少しずつ強くなっていきます。
わたしの場合、足にはあまり症状は出ませんでしたが、指先や手に症状が出ました。
日常生活では握力がなくなってくるので、ペットボトルの蓋を開けるのが難しくなったり、字がうまく書けなくなったりします。
ただ、そこまで生活の支障にはならなかったと思います。
完全余談ですが、野球ゲームの「パワプロ」を気晴らしにやっていたのですが、
打つときにミートカーソルがプルプル震えてまったく打てませんでした(笑)
治療後すぐにしびれはなくなりませんでしたが、
しばらく経つとしびれはなくなっていました。
絶対ではありませんが、「闘病後に障害が残る可能性は低い」と思います。
その他の抗がん剤の副作用
代表的な副作用を挙げていきましたが、
その他にも「皮膚や爪の変化」、「血管が固くなる」、「生殖機能低下」などがあります。
数え上げたらキリがないですが、
治療前に病院から説明があると思いますので、
気になる副作用は質問してみるのが良いでしょう。
まとめ:抗がん剤の副作用
ここまでの話を簡単にまとめます。
まとめ
<ABVD療法>
・2週間に1回なので精神的につらい。
・血管痛を起こす薬あり。
・最近では「A+AVD療法」を行う場合もあり。
<R-CHOP療法>
・3週間に1回かつ、だるさもあまりでない。
・リツキサンの費用は高く、初回入院が必要。副作用がまったく出ない場合もある。
・費用が高い月は高額医療を使用するのが良い。
・プレドニンが苦いので、オブラートを使用するなど工夫して飲むこと。
<吐き気、だるさ>
・吐き気止めが効くため、そこまで吐き気はない。
・だるさは1週間くらい経つと徐々になくなる。
<免疫低下>
・風邪の類には注意すること。
・バナナや笑うことで免疫力を上げ、治療を延期させないこと。
<脱毛>
・2~3週間で徐々に抜けていく。
・仕事をするのであればウィッグは必要。サロンに行って調整してもらうのがおすすめ。
・医療用の帽子でなく、ニット帽を活用するのもあり。
<口内炎>
・辛くて刺激が強いものは避ける。
・味覚変化も起きるので、食べやすく無理のない食事を心掛ける。
<便秘>
・水を飲み、食事を食べ、適度な運動をすること。
<しびれ>
・握力低下や指先のしびれが出るが、日常生活に支障が出るほどではない。
・治療後しばらく経つと、徐々にしびれはなくなる。
わたしは治療が終わって5年以上経過してますが、副作用はまったく残っていません。
髪質が多少柔らかくなったくらいでしょうか(笑)
これから抗がん剤治療を受ける方はとても不安だと思います。
「そもそも治るのか。。」とさえ、考えてしまうと思います。
しかしこれを乗り切ればまた「いつもの日常」が待っています。
副作用なんかそのうち消えてなくなります。
長い人は1年近く闘うことになります。
かなりの長期戦です。
始めは戸惑うかもしれませんが、慣れてくれば対策もできるようになってくるはずです。
そして最後は「メンタル勝負」です!
途中でくじけた時は泣いてもいいんです!ゆっくり立ち上がってまた歩けばいいんです!
治療を乗り切れるよう心から応援しています!
あなたの復活を待っています!
※疑問や質問がありましたら遠慮なくどうぞ!追記します!
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【闘病記】癌発症から復活まで!私が悪性リンパ腫になって経験した事のすべて!
※本記事は、各記事のまとめ記事です。 こんにちは、古賀です! わたしは25歳の時に、悪性リンパ腫になりました。 不安な気持ちになって、たくさん泣きました。 本気で「死ぬかも ...
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